ヤマト運輸 過疎地で高齢者の「買い物代行」「見守り」展開

  • 2013.05.10 Friday
  • 13:25
  東日本大震災の際、ヤマト運輸のセールスドライバー(宅急便を集荷するドライバー=SD)がいち早く自発的に救援物資の配送を始めたというのはよく知られたエピソードだ。同社の配送網は地域社会に貢献できるポテンシャルを持つ。

 そのヤマトが展開する社会貢献目的のサービスが「まごころ宅急便」だ。過疎地で自治体などと連携しながら高齢者の「買い物代行」と「見守り」を行なう。高齢者が注文した食材などをヤマトが配送し、SDは受け取りの際に安否確認して自治体などに報告する取り組みである。

 このサービスは2008年に盛岡市内のサービスセンター長が、一人暮らしの女性高齢者宅に配達した際の経験がきっかけで生まれた。配達先の女性がいつもより元気のない様子で気になったもののそのまま引き揚げたところ、3日後に孤独死した状態で発見されたのだ。こうした事態を防止できないか、という問題意識がきっかけだった。

 ヤマトHD経営戦略担当マネージャー・引地芳博氏は、「本業である宅急便のネットワークを活かして住民生活をサポートしたい。地域目線のサービスを考え出せるのはあくまで地域に根ざした現場の社員だ」と語る。

「まごころ宅急便」は試行錯誤を経て2010年9月に岩手県和賀郡西和賀町でスタート。中期経営計画(2011〜2013年)の基本戦略には「地域社会に密着した生涯生活支援プラットフォームの確立」が盛り込まれ、現在では高知県の自治体などでも同様のサービスが提供されている。岩手では社会福祉協議会と、高知では商工会と連携するなど、地域ごとにカスタマイズしていく。興味深いのはこうした社会貢献事業でも「利益を出す」というヤマトのポリシーである。

「行政から利用者が補助を受けてサービスを提供していますが、『行政の補助なしでも利益が出ること』を条件に事業を設計しています。決して大きく儲けようということではなく、事業としての継続性を保つためです。『補助金がなくなったら事業撤退』では、本当に地域のためになるサービスとは言えませんから」(引地氏)

 数年前の郵政民営化をめぐる議論で、民営化反対派は「過疎地の郵便局がなくなったらお年寄りが困る」と主張した。ヤマトの取り組みはその主張を覆すものと言えよう。

 ヤマト運輸で宅急便事業を創設した2代目社長・小倉昌男は、新事業を軌道に乗せるために行政との衝突を厭わなかった人物として知られる。規制と戦い、行政に任せず、市場競争の中で工夫して利益を出し、社会にも貢献するそのDNAが受け継がれているように見えた。

 ヤマト流の社会貢献には障壁は多い。前例のない取り組みに行政が消極的なこともある。だからこそ“ヤマト魂”の見せどころなのだ。

SAPIO 2013年5月9日

仮設で男性孤独死 浪江から避難、外出少なく

  • 2013.05.01 Wednesday
  • 12:43
 二本松市の杉内多目的運動場仮設住宅に入居している浪江町の1人暮らしの男性(62)が孤独死していたことが29日までに、分かった。自治会役員らが発見し27日午後9時ごろ、安達地方広域消防本部に通報、二本松署で死亡を確認した。
 関係者によると、自治会役員と近隣住民が男性のポストに数日分の新聞がたまっていて、窓が開いたままの状態だったことから、不審に思い室内を見たところ男性が吐血してうつぶせの状態で倒れていたという。外傷などはなく、病死とみられる。
 男性は、飼い犬の散歩以外はあまり外出はしなかったという。30日に自治会で孤独死対策を話し合うとしている。
福島民友ニュース 2013年4月30日 

アパートの借主が「孤独死」したら、連帯保証人の責任はどうなる?

  • 2013.04.30 Tuesday
  • 12:35
誰にも看取られることなく息を引き取る「孤独死」が社会問題になって久しい。「明確な定義はない」ことから全国統計は取られていないが、一説には年間3万件あるとも言われ、年々増加していると考えられている。

孤独死の背景として挙げられるのが、単独世帯の増加と周囲との関わりの薄さだ。家族がいても、離れて暮らしていれば異変に気付くことは難しいだろう。一人暮らしの学生や会社員でも、孤独死する可能性はあると言える。

そんな「孤独死時代」で気になるのが、アパートやマンションなどの賃貸住宅の連帯保証人の立場だ。借主(賃借人)が自殺した場合は賠償金を支払うケースもあるようだが、突然死や病死などの場合はどうだろうか。連帯保証人はどのような責任を負う可能性があるのだろうか。日本マンション学会会員で、賃貸住宅の問題にも詳しい魚谷隆英弁護士に聞いた。

●「人が亡くなられること自体は、人間が居住していく上で避けられない出来事」

「借主が孤独死した場合、連帯保証人は、明渡しまでの賃料を支払う義務があります」

魚谷弁護士はまずこのように指摘する。一般的に連帯保証人は、メインの債務者と同様の義務を負うことになるからだ。マンションやアパートなどの賃貸借の場合、借主が負っていた賃料や敷金、更新料などの支払い義務を連帯して負うことになる。

「ほかにも、もし借主が部屋の壁や床などを壊してしまっていたら、修理する義務もありますし、明渡し後の原状回復義務などの義務もあります」

つまり、借主が「孤独死」した場合でも、連帯保証人は借主が本来負っている義務をそのまま果たすということに変わりないということだ。では、借主が突然死したことを理由に、損害賠償まで求められることはあるのだろうか。

「借主が亡くなったということだけを理由に、連帯保証人は直ちに損害賠償する必要があるわけではありません」と魚谷弁護士は答える。

「自殺などの場合、部屋を賃貸しにくくなるため、損害賠償が認められることもありますが、自然死などの場合、人が亡くなられること自体は、人間が居住・生活していく上で避けられない出来事です。

ですから、特別な事情がない限り、連帯保証人が損害賠償義務まで負うことはないでしょう。さきほど述べたような本来的な義務を超えて、損害賠償までしなければならないケースは稀だと思います」

このように説明したうえで、魚谷弁護士は「実際に、連帯保証人になるときには、賃貸借契約書に責任の範囲についての条文が記載されていると思いますので、必ず賃貸借契約書の内容をチェックしてみてください」とアドバイスしている。

弁護士ドットコム 2013/4/29

建築基準法違反4割 福岡県の認知症高齢者施設

  • 2013.03.30 Saturday
  • 10:11
 県建築指導課は29日、5人が亡くなった長崎市のグループホーム火災を受け、県内の認知症高齢者グループホームで実施した建築基準法に基づく緊急点検結果を公表した。点検した計204施設のうち、非常用照明が部分的に不備などの同法違反は89施設(43・6%)に上った。防火扉が未設置などの重大な違反はなかったという。

 緊急点検は2月13日〜今月22日、県、福岡、北九州、大牟田、久留米の4市がそれぞれ、所管する施設を実施。排煙窓が開け閉めできなかったり、屋外に出る戸の開閉に鍵が必要だったりする違反があった。同課によるといずれも是正指導し、うち33施設が改善を終えたという。

 県内の認知症高齢者向けのグループホームは計596施設。今回は、2010年3月、札幌市で発生したグループホーム火災後に点検を行い、違反がなかったり、是正が確認されたりした計392施設を除く施設が点検対象となった。

2013/03/30 西日本新聞

孤独死防止へ見守り支援

  • 2013.03.30 Saturday
  • 09:28
JUGEMテーマ:孤独死


 高齢者の孤独死を防ごうと、県は29日、新聞販売組合など民間事業者15団体と「県地域見守り支援事業」協定を結んだ。新聞配達員の気配りで住民が一命を取り留めたケースがあったことなどから、住宅を訪問する機会が多い事業者と連携を強める目的がある。

 協定を結んだのは、新聞販売組合のほか県内のガス会社、生活協同組合など。住民への宅配や点検などの際、前回配達したものがそのままになっていたり、昼夜通して電気が付いたままだったりと、住民の様子が明らかに普段と違う場合に各市町村の担当課や消防などの関係機関に報告してもらう取り組みだ。

 昨年9月には、館林市内で新聞配達中の販売店従業員らが、独り暮らしの高齢男性宅に新聞がたまっていることに気付き、室内で倒れている男性を発見した。この販売店では、従業員に対し普段から各住宅に異変がないか注意するよう話をしていたという。

 県介護高齢課によると、独り暮らしの高齢者は年々増加。2012年度は5万4151人で、08年度より9483人増えた。県は孤独死の件数を把握していないが、県民生委員・児童委員協議会の梅沢朋子会長は「民生委員も懸命に注視しているが、それでも2年に1、2人ほど孤独死の例がある。様々な目があるのはありがたい」と話す。

 29日に県庁で行われた締結式では、異変を感じた際の連絡先などを記したパンフレットが団体代表者らに配られた。大沢知事は「住民相互のつながりが希薄になっていて、地域で支え合うことが重要だ。各団体の協力を得て、住民が安心して暮らせる地域作りをしたい」と述べた。協定を結んだ県LPガス協会の遠藤祐司会長は「締結した団体にはそれぞれ客との触れ合いがある。商売を通じて協力していきたい」と抱負を述べた。

2013年3月30日 読売新聞